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有川浩著 明日の子供たち を読んで

これは、児童養護施設を舞台にした物語です。

 

 

みなさんは、児童養護施設がどんなところなのかはっきりとわかっていますか?

 

私は、漠然と、身寄りの無い行くとこの無い子供たちを守る施設という風にしか認識していませんでした。

 

この、明日の子供たちを読んで、とても恥ずかしい気持ちになりました。

 

 

まず、この物語の中で当事者である女の子が言いました。

 

 

「施設のこと知りもしない奴に、どうしてかわいそうなんて哀れまれなきゃいけないの⁉どうして、」

 

確かに。施設の中のことなんて、当事者とそこに関わるひとしか知らない。

それなのに、なぜ人はかわいそうだとか勝手に上から目線で言うのだろう。

 

 

【普通】の家庭で育った子供には親がいて、身の回りの世話もしてくれて、携帯電話・スマホを持たせてもらえて。

ちょっとしたときに気軽に尋ねられる環境がある。

 

施設で暮らす子供には、【施設職員】しかいないし、規則があって各自当番もこなして生活しているだろう。

 

うちの長男は、障がいがあって高等部の3年間は親元を離れて施設入所し学校に通った。

 

そこでも、やはり障がいがあるとはいえ自分のことは自分でこなせなければならないし、役割だってあった。

 

 

でも、障がい者・児施設でも児童養護施設でも家庭でも同じように、なにかしらの「めんどう」なことはあるわけで。

 

 

施設に入ってるからかわいそう、ではないんだ。

 

家族と暮らしていても、孤独を常に感じていてかわいそうな子もきっといるだろう。

ご飯もまともに食べれない経済状況だったりもするだろう。

 

この物語の冒頭の女の子は、母子家庭で母親の育児放棄が原因で施設で暮らすことになった。

 

女の子は、施設に入ってなんて幸せなんだろうと思った、と言う。

 

「施設に入って、何ていいところだろうと思いました。夜はお布団でぐっすり眠れて、朝も夜もごはんが出てきて、おやつももらえて、学校にまで行けるからです」

「施設に入れたことで、初めて普通の生活が送れました」

 

 

施設に入れたおかげで、当たり前の生活ができるというのも、なんとも切なくも感じる。

 

でも、もっと助けが必要な子供は隠れているのかもしれない、そうも思える。

ニュースで、親が子供に手をかけた、なんて見るとやるせない。

 

 

この本を読んで、びっくりしたことがあったんです。

 

私、児童養護施設って無条件に18歳までは守ってくれると思ってたんです。

 

まず、高校生になれないと18歳まで、という期限は15歳までに変わるのだと。。。

 

高校受験に失敗したり、高校に進学しないとなると中学校卒業と共に、退所となるそうです。

 

これにはほんとうにびっくりしました。

 

高校を卒業しても、その先はすべて自分でどうにかしないといけない現実。

 

もっと、税金の使い道を考えたほうがよさそうですね。

なにかよくわからないことに湯水のごとくお金が流れ、必要としているところには出し渋る。

 

 

もっと人間味あふれる、人に寄り添える人が国を動かしていってくれるといいなぁ。

 

 

一人では無理だから、そういう人たちがたくさん集まって、それを支援して。